クラミジア性病 | 薬販売ベストケンコー

クラミジアは、かつては目の伝染病である「トラコーマ」や「オーム病」の病原体として知られていました。目に感染した場合は、目が赤くなり、ただれて膿みます。でも今では「性器クラミジア」のほうが圧倒的に有名になってしまいました。クラミジアは細胞偏性寄生細菌で、特異なライフサイクルをとっています。まず感染した基本小体が細胞内に入り込み、特別なカプセルのようなもの（封入体）をつくり、このカプセルのなかに潜んで分離増殖を繰り返します。感染後48時間ぐらいを経過すると、このカプセルが壊れ、なかの増殖した基本小体が元気に飛び出します。そして、再び増殖します。そうやって、どんどん増えていくわけです。カプセルのなかで48時間、じっと潜んで増殖しているという点が特徴です。自覚症状もほとんどありませんから、その間に、新しい人に感染したり、感染が慢性化しやすいわけです。

この性器クラミジア感染症は、現在もっとも流行している性感染症です。しかも女性に多いのです。男女の比でいうと、女性が、男性の2～3倍にもなっています。原因はいろいろ考えられますが、一番の要因は、やはり『性の自由化』と『無防備なセックス』が盛んになってきているためでしょう。そして、このクラミジア感染症は自覚症状が少なく、とくに女子では無症候感染であることが多いのも、流行の要因の一つです。自覚がなければ、わざわざ病院にいく人もいないでしょう。

その結果、なんと生殖年齢（子どもを生むことのできる年齢）の約5パーセントの男女が、このクラミジアに感染しているのではないかといわれています。この数字は当てずっぽうではなくて、いろいろな調査から導き出された数字ですので、かなり実体に近いものです。

つまり、20人に1人はクラミジアというわけです。

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男子では尿道炎が考えられます。

女子では、子宮頚管炎や骨盤内感染を引きおこし、卵管性不妊症の原因となることもあります。また妊婦さんが感染した場合は、流産、早産の原因になりかねません。

これはなにを意味しているかというと、簡単に生殖器の奥に菌が入り込み長期にわたって悪事をはたらく、ということなのです。早産というのは、つまりは子宮収縮であり、さらには産道が感染していれば、新生児の結膜炎や新生児の肺炎などにもつながる危険性もあります。

あなた一人の問題ではなく、赤ちゃんの健康にも影響しているのです。このあたりも十分に考えてもらいたいと思います。クラミジアは、女性にとって妊娠、出産に関わることですから、けっして軽い病気ではな いのです。

また、男性についても、おなじようなことがいえます。尿道炎から、前立腺炎、副章丸炎などに発展する危険性もあります。

「感染率５パーセント」というのは、無症状での感染です。つまり、「検査して、はじめてわかった」のが5パーセントということですので、感染し発病したケースを含めれば、感染者はもっと高いということになります。

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クラミジアの一回のセックスによる感染率5割ときいて、おどろきますか？

つまり2回セックスすれば、確率的には必ず感染するというわけですね。それが、クラミジアなのです。おどろくべき感染率です。セックス経験の多い人、セックス相手の多い人、そして若年者、未婚者……にクラミジアの感染率が高いことは容易に想像できます。

感染は男性の場合は尿道。女性の場合は子宮頚管のあいだでおこります。基本的には粘膜の接触による感染です。粘膜は性器だけではありませんね。口のなかもそうです。直腸、肛門もそうです。ということは、そうした部分でも感染することを意味しています。オーラルセックスでのどや目に感染したり、場合によっては直腸に感染することもあります。

「性器どうしがふれあわなければ、感染しないと思っていた」という若い男の子が、患者さんとして見えられたことがありました。その患者さんは尿道炎をおこしており、調べるとクラミジアでした。「性交しなかったのに、どうして感染するのですか？」と、半信半疑。で、よくよく話を聞いてみると「フェラチオ」のサービスを受けたとか。もちろんコンドームなどつけなかったのです。「その女の子が、感染していたんだろうね、口の粘膜のなかに。あるいは、直前にサービスした男性の菌が、女の子の口のなかに残っていたのかもしれないね……」　そんなふうに答えたら、「うっそ!」といって、その男の子はひっくり返っていました。

クラミジアの感染はHIVなどと比べものにならないくらい、強いのです。容易に感染します。保菌者とセックスしたらアウトだと思ってもいいくらいです。感染率5割というのは、それくらい危険な感染レベルだということなのです。

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「10代の妊婦さんの5人に1人が、クラミジアにかかっている？」といったら、妊婦さんはきっとおどろかれると思います。

まさか、と思いますよね。でも、10代の未婚の妊娠中絶をおこなった女性の4人に1人がクラミジアの陽性反応だったという報告もあります。そして、同じく10代の一般家庭の妊婦さんの5人に1人が、クラミジアの陽性だったのです。「10代の妊婦さん」と限定してある数字であることに注意してください。これまで述べてきたように、性の自由化、低年齢化とその危険性がこうした報告にはっきり出ています。妊婦さんが陽性ならば、当然、感染源は夫が疑われます。

で、あるとき、妊婦さんのパートナー（旦那さん）に来院してもらい検査をしたのです。ところが、なんと男性は陰性でした。つまり感染していないのです。ということは・・・。よくよく話を聞いてみると、クラミジアの陽性反応をしめしている若い妊婦には、結婚するかなり以前に別の恋人がいて、その男性とセックスをしていたというのです。どうやら感染源はその「別の恋人」だったのでしょうか？あるいは、かつては陽性だったにもかかわらず、男性側がすでに完治してしまい、陽性反応をしめさなくなったからでしょうか？

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女性に多いクラミジアですが、検査はどちらかというと男性のほうが簡単です。

まず泌尿器科で尿検査をします。そしてこの尿の白血球の有無を調べます。炎症があれば、白血球が出ます。さらに、クラミジアの同定検査法として、検出感度の高い、PCR法（遺伝子検査法）などがあります。これでバッチリわかってしまう、というわけですね。

PCR法以外の検出方法をもちいることもありますが、PCR法は尿の採取だけで確定できるのです。尿道目に綿棒を入れて検査という「痛い思い」をすることはありません。ですから、心当たりのある人は、進んで検査を受けてほしいのです。

次に治療法ですが、これもむずかしいことはなにもありません。基本的には、マクロライド系やテトラサイクリン系といわれる抗生物質の投与、あるいはニューキロン系の抗生物質によって完治します。ただし、完治までには1～2週間ほど必要です。

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女性の場合のクラミジアの検査は、男性のように簡単ではありません。子宮頚管からの分泌物、つまり「おりもの」の検査です。そのほか直接、粘膜をこすって検体を採取ということもします。つまり、ちょっと「痛い思い」をしないといけないのです。そうしてえられた検体を、さきほど紹介したPCR法によって調べるのが、もっとも検出感度が高く、しかも確実な方法だとされています。

しかしながら女性の場合、クラミジアが潜める場所が子宮頚管や腹腔内が多いので、検体として採取した場所にはクラミジアがいなくても、別のところに潜んでいる場合もあり、分泌物だけでは即断できないこともあります。このようなケースでは血清抗体検査をおこない、抗体陽性に対して、治療をすべきです。

女性に感染者が多いのも、こうした検査のむつかしさに原因があるのかもしれません。治療については、男性とどうような対応です。でも気をつけなくてはならないのは、治療後にほんとうにクラミジアが陰性になったのかどうかを、再度確認する必要があるということです。というのは、確実に薬を服用しなかったり、治療中に性交を重ねてしまったりといった事例があるからです。そうすると治療は台なしです。

特定のパートナーがいる場合は、2人でどうじに治療したほうが確実です。パートナーも感染している場合がほとんどだからです。

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